【金融資産運用】2021年の振り返りと2022年の展望

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2021年もおおむね株価は好調なコロナ相場だった

2021年初にこちらの記事で私が予想した2021年のメインシナリオは、「主要先進国はワクチンによって、2021年夏~秋以降は景気回復の見通しが見えてくる」というものでした。

実際のところは、新型コロナウイルスはワクチン接種が進捗しても全世界的に収束の兆しは無く、2021年は国によってムラがありつつも自由な行動は制限され、世界中の中央銀行や政府が積極的な金融政策と財政政策を行った2020年のコロナ相場の延長にあったと言えます。

人類の歴史を振り返ると、パンデミックはその当時の宗教権威や王朝を動揺させ、宗教改革やクーデーターも合わさって、貧富の差やヒエラルキーがリセットされる傾向にありました。
今回の新型コロナウイルスパンデミックは、mRNAワクチンというテクノロジーとデジタル経済活動の拡大、金融政策・財政政策により、なんとか制御されたパンデミックとなり、株価の上昇を通じて、貧富の差がむしろ広がる傾向になっています。

保有銘柄から市場環境を振り返り、今後の展望を考える

アマゾン・ドット・コム【AMZN】から人手不足とコロナ巣ごもりを考える

©2022 Yahoo! Finance
2021年初
2021年末
  • 3,322.00$
  • 3,384.02$(+1.9%)

2021年Q2の決算までは好調でしたが、Q3の決算からミス(事前予想を下回ること)が続いています。
クラウド部門は順調ですが、EC部門の成長が鈍化しています。
アマゾンは、2020年はコロナ巣ごもり需要によって業績・株価ともに絶好調で、需要の先食いとキャパオーバーが起こっていたと考えています。

米国内の倉庫および物流拠点で従業員12万5000人を新たに正規雇用する計画を発表(CNN.com)し、米国内での従業員は100万人を突破、全世界従業員は140万人以上となり、物流や配送というフィジカルな人が担う領域で圧倒的な存在となっています。
長期展望は引き続き強気で見ていますが、2022年は、引き続き人手不足に悩まされるとともに、コロナからの経済再開で人々が巣ごもりしなくなる影響から、2021年同様にパッとしない1年になるかもしれません。

アルファベット(グーグル)【GOOGL】からSaaSとFRB動向を考える

©2022 Yahoo! Finance
2021年初
2021年末
  • 1,757.76$
  • 2,933.10$(+66.9%)

もともとGAFAの中では株価が出遅れていましたが、2021年は非常に強かったです。

2021年で私が注目しているのは、ビジネス向けのSaaSパッケージG Suiteを、Google Workspaceにリブランディングして、Meetとの統合やDriveの拡充など、MicrosoftのOffice365と遜色ないアプリレパートリーになったことです。
CRMなどの他社サービスとの連携のしやすさを考慮すると、大企業ではMicrosoftのOffice365、中小企業ではGoogleのGoogle Workspaceという住み分けになっていくのかなと感じています。

長期展望は引き続き強気で見ていますが、2022年は、FRB(米国の連邦準備理事会。日本における日本銀行と同じ)のテーパリングや利上げが確実視されており、2021年ほどの期待はできないと考えています。

トヨタ自動車【東証7203】から割安な日本を考える

©2022 Yahoo! Japan ファイナンス
2021年初
2021年末
  • 1,591.4円 ※株式分割反映
  • 2,110.5円(+32.6%)

トヨタ自動車という巨大なものづくり企業としては、非常に強い1年だったと思います。
2021年は、車載半導体の供給不足とサプライチェーンの乱れが全世界の自動車メーカーに悪影響を及ぼしましたが、世界で最も強い自動車メーカーが、困難においてやはり最も強く、相対的にトヨタ自動車に買いが集まる結果にもなったと感じています。

ガソリンエンジン自動車にはタイムリミットがあり、一方で多数の既存サプライヤーを抱え、経営陣がさらされているプレッシャーは並大抵のものではないと思います。
2021年12月14日に発表された世界の度肝を抜いたEV戦略は、その後の株価の推移から見ると、株式市場ではその成功が織り込まれているとは言い難いです。

総合モビリティカンパニーへの転換と、自動車におけるガソリンエンジンからハイブリッド、EV、水素まで全方位対応を行う姿勢は、トヨタ自動車しかできない芸当です。
私は地元の豊田市民として、ささやかながら何か貢献したいと考えていますし、現在のバリュエーションは割安であると世界に知らしめたいです。

(NEXT FUNDS)インド株式指数上場投信【東証1678ETF】から新興国を考える

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2021年初
2021年末
  • 178円
  • 236円(+32.6%)

インド株式指数は、非常に強い1年でした。
もともと新興国株式は、FRBの金融緩和が続くうちは、基本的には強いです。米国や他の先進国で運用に困ったマネーは、貪欲に新興国まで波及してきます。

2022年は、FRBの姿勢が急変して、テーパリングと利上げという金融引き締めの1年になりそうです。
FRBのバランスシートの圧縮は早ければ2022年中から始まりそうで、新興国通貨、新興国株式ともに逆風です。
また、世界的なインフレは、産油国には石油価格の上昇を通じてプラスに働き、インドのような輸入国家にとってはマイナスです。

インドの長期展望は引き続き強気で見ていますが、2022年は難しい相場環境になると考えています。
なお、南米やトルコのような高インフレ新興国は、通貨金利こそ高いものの、為替で虐殺される可能性があります。
また、東南アジア新興国は、中国経済と新型コロナウイルス次第で、リサーチ力に自信がある方にとっては妙味があるかもしれません。

ラクスル【東証4384】から日本のグロース株とスタートアップを考える

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2021年初
2021年末
  • 4,445円
  • 5,680円(+27.8%)

ビジネスにおいて「営業・広告・販売」という最も悩ましい領域を、インターネットとUI/UXで解決し、印刷工程自体は外注するという今風のネットプリント企業です。

2021年は、日本のグロース株は厳しい1年でした。
エムスリー【東証2413】、BASE【マザーズ4477】などは、有望な企業には間違いないと思いますが、2020年のコロナ相場であまりに高騰し、2021年は下げ続けました。
そんな2021年でも、株価が粘っているグロース株は、決算できちんと数字を出している企業とも言え、今後期待できると考えています。

2020年から2021年にかけて、米国ではSPAC(特別買収目的会社)を使った空箱上場や、IPO(新規株式公開)が多数あり、新規上場バブルの様相でした。
新規上場バブルは、その前半は乗ればほとんど儲かり、その後半はほとんど損をするという特徴があります。

日本でも、スタートアップが活発になってきており、大企業や大手金融機関の目の色が変わってきているため、数年以内に新規上場バブルのような相場が来るのではないかと予想しています。

株式投資は主体的な姿勢に繋がり、イナカ暮らしの強い味方にもなる

株式投資や金融資産運用は自己責任の世界です。
自分で調べて、自分で決断をする必要があります。
リターンを得るにはリスクを取る必要がありますし、損をする可能性もあります。

マネーに直視して向き合うと、世界や社会に対して、自ら働きかける主体的な姿勢を得ることができます。

物理的な距離や利便性で、都市部に劣ってしまうイナカ暮らしでも、金融資産運用は不利がありません。
イナカにいながら、最先端のテクノロジーや政治動向に敏感になることもできます。
まずは難易度の低いインデックス投資などから、少しずつ慣れていくのも良いかなと思います。

本ウェブサイトに掲載されている情報は、投資勧誘を目的とするものではありません。投資に関する決定は、自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。

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愛知県豊田市の山奥、稲武町で300年以上つづく豪農旧家に生まれました。
東京大学を卒業し、大企業に勤務していたにも関わらず、イナカの家業を引き継ぎ、「いま旧家は一周回って面白い」「いまイナカは一周回って面白い」ということを発信します。

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